居酒屋留学。

友人に呼び出され、7時に居酒屋に行くものの、
呼び出した本人がいない。

しかたないので、ぼーっとひとりでお酒をいただく。

することがないので、周りを見回してみる。

カウンターの周りには、ところせわしと料理名が張ってある。
アルコールもいろいろある。
暇だから、奴が来る前に、全部たのんでみようかな?
でもさすがに全部は飲めないよね。
この時期、そとで行き倒れるのは寒いよ。

やめておいたほうがいいよね。


店内は、居酒屋にしては明るく綺麗にまとまっている。
そういえば、バーにはひとりでときどきいくけれど。
ひとりで居酒屋にいるのは、はじめてかもしれないなと思う。

一通り見終わった。

ちょっとお客さんをちらみしてみる。
となりには、60過ぎのおっちゃん。
そのとなりに外人さんと英語の流暢な女の人、
おっちゃんにからまれてる。

どうやら、外人さんは英会話スクールの先生らしい。
おっちゃんは日本語で話しかける。
女の人が、リアルタイムで通訳。

パーフェクト。
聞く限り完璧。すごいなぁ。

異文化交流、大いに結構。
時間あるし、面白いから聞いてみようと、
何食わぬ顔でおでんをつつく僕の顔に、

ふと、おっちゃんの視線が止まる。


うん、・・・やばいかも。

とか思ってたらやっぱり話が飛んでくる。


「わしの息子が・・(以下略)」

おっちゃん、なまっててよく聞き取れない。

僕がおっちゃんの息子さんと同じくらいの年って?
そうなんだ。
息子さんいくつ?
え、40代?


・・・40代? orz.

僕はその半分位だよ。


外人さんと、おっちゃんは、ジェスチャートーク
僕はたどたどしい英語を話す。
おっちゃんの日本語より、
外人さんの英語のほうが聞き取りやすい。

自分的にはそんな居酒屋留学。

しばらくして。

外人さんが乾杯を覚える。

日本語でカンパイといい、
もともと見ず知らずの、
僕、友人、おっちゃん、外人さんの四人で、
カンパイをする。

かなり引き気味で、女の人が見る。

シュールだよ。

カウンターはここだけ、プチお祭り騒ぎ。
おっちゃんと、外人さんは楽しそうに飲む。

こう考えると、お酒の
人に和をもたらす力は、相当なものだと。
しみじみ思った。
アルコールで感情の抑制が効かなくなったりする人もいるけれど、
付き合い方を間違えなければ、
とても幸せなのみものなのかもしれない。
まぁ、財布は不幸せだろうけれど。


純粋にこのノリは、
むかし、宿でガイドをしていたころに似ている。
懐かしく思った。


結局1時間待って、友人が一人来て。
もう2時間待って、呼び出した本人が来る。

まぁ、面白かったからよしとしよう。


さいご。

帰ろうとするおっちゃんに
まだまだ飲まそうとする。
こやつ、酒つよいな。
明日仕事があるらしいおっちゃんは、
「気持ちだけいただいておく」という。

通じない。
そりゃそうだ。

僕に英訳を頼む。
その概念、外国にないかも。難しくない?


I'm glad to hear that
but, I can't drink more.

(外人さんのもう一杯飲めよという発言を受けて)
うれしいけれど、もう飲めないんだ。

意味が通じていればよいのだけれど。


英会話、いってもいいかな?