目的地まで52km、制限時間は6時間(現在)
今日は、引越しの日になる。
埼玉にある実家のほうから、車を持って千葉に行き、荷物を積んで戻る。
現在11時。夜には荷物の引き取りが来る。17時にはつきたいところだ。
帰路は同じ道を明日、戻るつもりだ。二日間の仕事になる。これも学生ならではの時間の使い方だろう。
もっとも、もうすぐそれすらできなくなる。
もう学生気分ではいられないと思うと感慨深いものがある。
そういえば、車の運転は久方ぶりかもしれない・・・・。
ゆとりをもって運転したいところだ。
「遅くて6時間でつけばいいわけか。」
そうぼやきながら、ナビゲーターの指し示す行程を眺めてみる。
相変わらず無愛想なデジタル表示で、進むべき道が示されているだけだ。
やれやれ、まったくもって可愛げのない・・・。
そう思っていると、思いがけなく、
画面の片隅にひっそりと、だが確実に目に入ってくるものがあった。
それはごくありふれた白い文字で書いてある。
「目的地まで52km」
しかし、その表示を見ると、ふと、なにか親近感を感じる。
デジャブといってもいいかもしれない。
何だったのだろう?
しかし、確かに、自分のなかの何かが反応しているのがわかる。
すこしの間、考えてみる。
ようやく頭の中の何かがつながっていく。
そして、一瞬のうちに・・・
在りし日の記憶が洪水のように・・・。
つまり、結局はそういう運命なのかもしれない。
それも悪くない。
* 続きは無事に帰れてから(笑)