自分自身の言葉で。

わたしは人にものを伝えるのが、苦手だと思います。

そんなことはないよ。と、あなたはいうかもしれません。

でも、わたしはいつも、どうしてこんなにも、
思ったことが伝わらないのだろう?伝えられないのだろう?

いっそのこと、頭から電波がでるような機械を埋め込んで、
おもったこと、そのまま相手に伝わればいいのに。
と、ときどきおもったりもします。

さすがに、ほんとにそんなことになったら。
思ったことがすべて伝わってしまって。
隠したいこと、我慢すべきこと。すべてが伝わってしまう。

それはそれで、もっと困るのだよね。

だから、このほうがむしろよいのかもしれないと。納得しています。


昔、だれかに話したことがあったと思う。

思いを伝えるのは、
キャンパスに絵を描くことに似ているのではないでしょうか。

あたまのなかでは、書きたい色が鮮明に浮かんでいるのに、
書いても書いても。納得できずに書き直しても、
自分の出したい、その色とは、
色調は似ているのに、

それはまったく別物で、
本来の意味の、半分の役にも立たないの。


そんな絵を。

いままでずっと書いている。
今日も書き続ける。
あしたも、きっと書いていくのだろう。


自分自身の言葉が、言葉道理に相手に伝わるように。


伝えようとして、飲み込んだ言葉もいっぱいあるけれど。

伝わってくれればいいなと思ったりする。

でもきっと、以心伝心、勝手に伝わるなんてこと。

ないね。

無理無理。言わなきゃわからない。


勇気がなくてできなかったこと、

いえなかったことを、後悔してばっかりの、

昔を思い出して、

いまでさえ、情けない自分が、もっと情けなくなる。


そんなちょっとばかりセンチな、秋の夜長。

台風前でした。