村田エフェンディ滞土録/梨木香歩


梨木さん、最近かなりメジャーになってきたように思います。
最初に読んだ彼女の本は、西の魔女が死んだ。でした。

大人になってから(大学生だったかな)読んだのですが、
こういう本が、小さいときに読めたらよかったのだけれど。
そう思うような本でした。

逆に滞土録に関していえば、大人になってから読んだほうがいい本だと思います。
文体がほかの本と、ぜんぜん違うのがとても印象的。


トルコに滞在する日本人のお話です。
1900年前後でしょうか。

彼の下宿生活の輝かしい平和な日々と、色鮮やかなオウムがとても印象的でした。

人は過去なくして存在することはできない。
(P29)

わたし、その自分と自分の過去が嫌いなのだけれど・・・。
まぁ、それも含めて自分なのだから、イヤでも仕方ないですよね。
と読みながら思ったり。

Sisce gaudere(ディスケ・ガウデーレ)
楽しむことを学べ
(P62)

比較的学んでいる気がするのですが、まだまだでしょうね。

太古の向き足、人間はこうなればよいという、願望を持ち(中略)
そのために行動を始めた。
自分にとって理想的な未来のビジョンを思い描き、それを現実となすための行動を起こしたのだ。
(P65)

私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない
(P84)

さすがにココまで悟れませんが。
このスタンスに見習いたいと思います。

わたしは、基本は穏やかでやさしい人間に属すると思いますが。
心の温度はさめていて、あまり人と深く関わるのは避けるようにしていたので。
(↑困ったことに最近そうでもないのですが)